全部、私からだった。
けれど突然、弾けたようにりっくんは私から離れ、

「ごめん、つい……」

泣きそうな顔をして謝った。



「謝らないで。やめないで、続けて。お願い」



謝らなければならないのは私の方なのに。りっくんにキスしながら、他の人のことを考えた。


悪いのは私だ。



それなのにりっくんは、私をそっと抱きしめて、

「ごめん、これ以上は無理。自分を止められる自信ねぇ」

と、また謝った。


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