最愛〜最高の涙を君と…〜
10分ほど待っていると
颯が現れた。
「あ、颯。めずらしく遅いじゃん」
そっけなく『うん。』と答えて
颯は歩き出した。
今日は手を繋がない。
Shineで働くことになってから
手を繋がない日なんてなかった。
「ねぇ、どうしたの?」
「……何が」
何がって、
「何でそんなに不機嫌なの?」
いつも無表情で
何を考えているのかなんて分からないけど
いま怒っていることくらい分かる。