* promise *
『こう見えて、俺もいろいろと忙しいんだけど?』



そう言うと、向かい側に座ったヒロも缶ビールを開け口に運ぶ。

ちゃっかりおつまみにまで手を出してるし…。



『で、また振られたわけ?』

「うるさい」

『まぁ、どっちでもいいけど』



あからさまに興味なさそうに返事したヒロは“でも、今回は3ヶ月ももったじゃん”と、しれっと言ってのける。



3ヶ月…。



そう。私にとっては3ヶ月でも長くもった方なんだ。



「あんな浮気男、こっちから願い下げよ」



“梨子はさ、強いし1人でも大丈夫そうだけど、こいつは俺がいなきゃダメなんだよね”



堂々と隣に女なんか連れちゃってさ…。

左腕にしがみつく彼女は、小さくて清楚な感じの可愛い子だった。



まるで私とは正反対。



確かに、昔から甘えるのは苦手だったし、男っぽいタイプではあったけど。

私だって、一応女なんだよ…。



“1人でも大丈夫ってなに?”



手に持ったビールを一気に胃袋へ納めると、缶をグシャッと潰した。

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