青空バスケ

いよいよ第4クォーター。

監督の言ってた通り、向こうは黙っていなかった。

どんどん攻めてくる。

こっちも負けていられない。


入れては入れられ、入れられては入れて。


そんな攻防戦の繰返し。


1ゴール差が縮まらない。


時間だけがどんどんなくなっていく。


次第にみんなに焦りが出てきた。


……ここで焦っちゃダメだ。


ここが踏ん張り所。


「鳴瀬先輩、リラックスっす!」


俺がそう言うと、鳴瀬先輩は小さく笑った。


「そうだな」


そう言うと、コート内にいる全員に声が響くように声を張り上げた。


「焦るな!!
このまま行け!!
ミスしても気にするな!!
みんなでカバーする!!」


不思議なことに、部長が声をかけるとみんなが安心したように笑った。

やっぱすげぇや、鳴瀬先輩は。

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