青空バスケ
『んなの、決まってんじゃん』
『え……?』
『インハイに行く。
それが俺のやりたいこと』
……そうだね。
大和の小学生からの夢だもんね。
『……夢、あるじゃん』
『栞奈もだからな』
『え?』
『行くんだろ?一緒に』
……ハル君の試合を観に行った時。
大和と約束した。
一緒に行こうね……って。
一番近くで応援してるよ……って。
『………………』
『栞奈?』
あたしは無言で机の上に置かれたシャーペンを取り、高瀬大和と名前の書かれた進路希望調査書にペンを走らせる。
『お前何勝手に……』
『はい』
あたしは紙を大和に見せた。
『青桜……って……』
『あたしの第1希望』
『は?何で……』
『一緒に行くんでしょ?
……なら、同じとこに行かなきゃダメじゃん』
……何か恥ずかしくて、大和から目をそらした。
大和はあたしから紙を受け取ると、何も言わずにあたしの頭を撫でた。