青空バスケ
「何しに来たんですか……姉御」
すると、姉御は栞奈から体を離してニコッと笑った。
「可愛い後輩達に会いに来ちゃいけない?」
「そんなこと……」
「でもビックリしたわよ。
来たら栞奈が男に追いかけ回されてるんだもの。
思わず締めちゃったわよ」
……そんな笑顔で何てことを言ってるんですか。
「大和もちゃんと栞奈のこと見てなきゃダメよ。
危なっかしいんだから、この子」
「分かってますよ」
「でも、やっぱ栞奈が頼るのって大和なのね~。
ま、幼なじみだからね」
……さっきアイツが言ってたやっぱりってそういうことか。
「……それはそうと」
姉御はニヤッと笑うとバスケ部全体を見回した。
そして鳴瀬先輩を発見すると、躊躇いもせずに先輩の方へまっすぐ歩いていく。
「はじめまして。
青桜の部長さん、鳴瀬愁君」
見ず知らずの人間に突然名前を呼ばれ、鳴瀬先輩は顔をしかめた。
「……あなたは?」
「あ、忘れてた。
はじめまして。
秀華高校マネージャー、青山楓です」