青空バスケ
ああ……そういえばこの人秀華だっけ。
姉御だけは卒業前にうんざりするほど自分の高校をアピールしてきたからよく覚えてる。
「秀華の……マネージャー?」
「楓って呼んでくれていいわよ。
大和は姉御って呼ぶけど、それは可愛い可愛い後輩達にしか許してないから」
綺麗な笑顔だけど、何かどす黒いオーラを感じる……。
姉御は変わってない。
「で……そのマネージャーが何の用だ」
「大和と栞奈を見に来たついでにご挨拶していこうかなって。
ウチのキャプテンも鳴瀬君に会いたがってたし」
「キャプテンって……DF王子の……」
「谷よ。
王子なんて大層なもんじゃないけど」
すると、姉御は俺の方を見て小さく笑った。
「とあるバスケ馬鹿が心配みたいで。
もうね、あそこまで来たら親みたいなもんよ。
過保護なパパなんです、ウチのキャプテンは」
とあるバスケ馬鹿って……え?
もしかして俺のこと?
先輩達が卒業して三年になるのに、未だに心配されてんの?
……過保護すぎだよ、パパ。
大丈夫だよ、パパ……。