tearless【連載中】
“今日も屋上?”人差し指を上に向けながら私の元へ近付いてきたのは雅貴先輩。

璃琥と過ごすうちに、先輩とも自然と仲良くなった訳で。



「先輩…。あれっ、髪…」

『あ、ストレートにしたんだよね…』



フワッとしていた頃とは全く違う雰囲気になっていたけど、顔が良い人はどんな髪型でも似合うもの。

その髪を指で摘み“どう?”と少し不安げな表情を浮かべる。

璃琥とは対照的な黒。

ワックスで軽くセットされた髪は、窓から差し込む光にキラキラと輝いていた。



「すごい似合ってますょ」

『マジ?良かった…』



フッと表情を緩める姿に思わず“トクン”と鼓動が反応する。

璃琥と雅貴先輩は全てが対照的だと思う。

璃琥は素直に口に出さないし、爽やかとは無縁だ。

璃琥が闇なら、雅貴先輩はそれを照らす光。

この1ヶ月2人を見て、そう感じた。



『葵ちゃんもストレートじゃん?すっげー可愛い』

「え…っと、そ、そーですか///」



眩しい位の笑顔で更っと言う先輩に、顔がポッと熱くなる。


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