tearless【連載中】
『…私でいいの?』



“明日の話”そう付け加えると、心配げに揺れる瞳。



「いいの」



全て話して、いつか心から笑い合いたいから。

たくさん心配してくれて、私の為に泣いてくれた結衣の為にも…。



『分かった』



静かに言葉を口にすると、賑やかな教室にちょうど担任が入ってきた。



〔すまん、遅くなった。〕



そう言えば、生徒達からは次々と非難の声が飛び交い、更に教室内は賑やかになる。



〔分かった!!すぐ終わらせるから、静かにしろ…〕

“マジ~?”

“絶対~?”



そう言葉を吐きながらも次第に静かになった生徒達に、ホッとした表情を浮かべる先生。

夏休み関係のプリントが配られその話をちょろっとすると、宣言通り早くHRは終わり、みんな次々と教室を出て行く。



『じゃあ、何かあったら連絡して』



結衣も荷物を纏めると、携帯を握りしめ教室を出て行った。

私も鞄にプリントを入れると、璃琥にメールする。



“今日用事あるから、バイト行っていいから”

“分かった。気を付けて帰れよ?”

“璃琥も頑張ってね”



内容はこんな感じ。

絵文字も顔文字も無い、本当に用件だけを伝えるメール。


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