tearless【連載中】
『服』
「はい?」
『脱げっつってんの』
相変わらずな俺様口調でとんでもない事を言い出すから一瞬身構えたけど、新条 璃琥は自分のブレザーを私に投げてきた。
『着てろ』
一言だけ口にすると視線を外す姿に、戸惑いながらも“ありがと…”雨音に掻き消されそうな程小さな声でお礼を言った私。
靴箱を間に挟んで座ると、自分のを脱ぎ渡されたブレザーを肩から掛ける。
ちょっと大きめのブレザーからは、煙草の匂いとシトラス系の香水の香りがした。
そのまま靴箱に寄りかかり、ボーッとガラス扉の先に見えるグレーの景色を眺める。
“本当にこの雨止むのかな…”
ふと、ガラスに反射して映り込んだ新条 璃琥の姿に目が留まった私。
相変わらず手を後ろに付いたまま、体を反らし天井を眺めている。
“それにしても綺麗な顔…”
ボーッとしてる姿も様になっている。
口を開かなければ完璧なのに…。
今までの屈辱的な言葉を思い出し、溜息を漏らした。
『溜息ばっか付いてっから、いつもそんな湿気た面してんだよ』
ガラス越に新条 璃琥と目が合うと、無表情のまま私をジッと見ている。
ほらまた…。
一言多いんだよ!!
!
その時、ピカッとガラス扉から光が入り込むと同時に地響きともの凄い音がなり、校舎全体が暗くなった。
「嘘…。停電?」
後ろを振り返り全体を見渡していると“とんだ雨女だな”と冷めた声が雨音とリンクした。
「はい?」
『脱げっつってんの』
相変わらずな俺様口調でとんでもない事を言い出すから一瞬身構えたけど、新条 璃琥は自分のブレザーを私に投げてきた。
『着てろ』
一言だけ口にすると視線を外す姿に、戸惑いながらも“ありがと…”雨音に掻き消されそうな程小さな声でお礼を言った私。
靴箱を間に挟んで座ると、自分のを脱ぎ渡されたブレザーを肩から掛ける。
ちょっと大きめのブレザーからは、煙草の匂いとシトラス系の香水の香りがした。
そのまま靴箱に寄りかかり、ボーッとガラス扉の先に見えるグレーの景色を眺める。
“本当にこの雨止むのかな…”
ふと、ガラスに反射して映り込んだ新条 璃琥の姿に目が留まった私。
相変わらず手を後ろに付いたまま、体を反らし天井を眺めている。
“それにしても綺麗な顔…”
ボーッとしてる姿も様になっている。
口を開かなければ完璧なのに…。
今までの屈辱的な言葉を思い出し、溜息を漏らした。
『溜息ばっか付いてっから、いつもそんな湿気た面してんだよ』
ガラス越に新条 璃琥と目が合うと、無表情のまま私をジッと見ている。
ほらまた…。
一言多いんだよ!!
!
その時、ピカッとガラス扉から光が入り込むと同時に地響きともの凄い音がなり、校舎全体が暗くなった。
「嘘…。停電?」
後ろを振り返り全体を見渡していると“とんだ雨女だな”と冷めた声が雨音とリンクした。