誘惑男子①~アブノーマルに抱きしめて~


そして、研修最終日――



「皆さん、三日間お疲れ様でした。お陰様で無事研修を終了することができました。ありがとうございます。

え~、ここにささやかな打ち上げの場を設けましたので、この機会に是非、各コールセンターの垣根を越えた親睦を深めて下さい。では…乾杯!」



「乾ぱ~い!」



「乾ぱ~い!!」



宿泊ホテルの小さなラウンジを貸し切り、関東、近畿、北海道…そして新しく開設予定の沖縄から集められたリーダー候補生達の打ち上げが行われた。



「後は皆さんだけで、ゆっくり楽しんで下さい。わたしはこれで…」



乾杯の挨拶を済ませた鬼瓦顔教官が一抜けすると、ようやく緊張と重圧から解放されたオバサン達がアルコールの勢いを借りて敬に襲いかかる。



「桐谷さんってイケメンやね~」



「カノジョはいるの~?」



「そらおるで~」



「今晩、オバチャン達と遊ばへん?」



「ギャハハッ、赤くなってる。カッワイ~イ!」



「カッワイイさ~!!」



「アハハハハッ!!」



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