ブラック王子に狙われて①
放課後―――――。
今日もまた、従順な下僕の如く…
腹黒王子のお迎えに……。
1Bの教室の前まで来ると、
「神宮寺!彼女が迎えに来たぞ!?」
「ん?あっ、絢ゴメン。ちょっと待ってて?」
「え?……はい」
“絢ゴメン”だって。
いつもは“ゴメン”なんて言わないのに、人前では簡単に謝るんだ。
窓際の席で、彼が女の子に勉強を教えてるみたい。
へぇ~。
普段はあんな表情するんだぁ。
女の子に優しく、爽やかな笑顔を向けている。
ふぅ~ん、アレが王子の顔ってワケね。
5分ほど廊下で待ってると、
「悪い。待たせたな」
「ん?もう、終わったの?」
「あぁ。帰るぞ?」
「……はい」
毎度のこと、手を握られ…歩き出す。