はらり一枚、一滴
綺麗な金色の絨毯の中に、他からやって来た茶や赤のそれが混ざり、ゴッホの様な色彩と乾いた踏みしめ音を与えた。


さく さく


さく…


ん?


なんだろう?
気のせいか、後ろから視線を感じた気がするけれど…。


振り向いても誰も居ない。


さく さく さく…さくさく

不規則に歩いては止まってみる。


おかしい…やはり何度振り向いても、確かに誰も居ないというのに、視線だけは感じる。


それも先ほどよりも強く、

強く…近く…


< 2 / 10 >

この作品をシェア

pagetop