はらり一枚、一滴
僕には心あたりがあった。


昔、銀杏並木で別れた彼女…。


あの時僕が首を締められて、必死で掴んだ腕は柔らかくて細く、…頬に落ちた滴が涙ならば…



あれは銀杏ババアなんかじゃない。



もしかしたらあれは…

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