出会う前のキミに逢いたくて
「つまりあれか、治療費を捻出したいと」


「早い話、そういうことです」


「金なら貸すぞ。店が軌道に乗り、それなりの貯えもあるから」


「いやいやいや」オレは顔の前で手を左右に振った。


「お気持ちはありがたいですけどそこまでしていただかなくて大丈夫です。雇ってくれるだけでありがたいんで」


「そんなことでいいならお安い御用だ。自由に来て自由に働いてくれ」


「最初は皿洗いくらいしかできないかもしれませんけど」


「端から期待しちゃいないよ」


店長の苦笑に向かい、オレは3秒ほど深々と頭を下げた。


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