蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】
「秋月か。どうだ、体調は?」
「もう大丈夫です。御心配おかけしてすみません。・・・あと、昨日はありがとうございました」
絢乃はぺこりと頭を下げた。
本当は朝イチで言いたかったのだが、機会がなく、このタイミングになってしまった。
雅人はふむと腕を組み、絢乃を見る。
「今日はあまり無理をしない方がいいだろう。この公園は広い。幹事と言えど、無理はするな」
「はい」
「自転車の貸し出しもしていると聞く。必要なら使え」
丘陵公園では3時間ほど留まる予定だ。
その間、幹事は園内を周回し、必要に応じて対応をする。
もう一人の幹事である山田さんは、既に自転車を借り、フィールドエリアの方へと向かったようだ。
絢乃も自転車を借りようとサイクリングセンターの方へと向かった。
そのとき。
「アヤ、こっち!」