恋愛温度(番外編も完結しました)
会社から二駅先で電車を降りやや郊外に、

小さめな空き倉庫が立っていた。


「部長ここは?」


「うん、今度イノベーションのモデルプランのショウルームとして、

 買い取った物件だよ。」


「なるほど、このくらいの距離ならお客さんも案内できますね。」


「そうだな。手頃な物件だったと思うよ。」


「さあ、こっちだよ。」


「はい。」


仕事の話をされて、すっかり会社モ-ドになっていて、

こんな夜に男と二人きりだという事態に、

何の疑問も抱けなかった私。


何より部長はノーマークだったから。
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