恋愛温度(番外編も完結しました)
「はああっ」

妙なひやあせにまみれてベタベタした感触が不快。

わたしは、まるで前習えをしたみたいに

不自然に宙に手を伸ばして

何かをつかもうとしていた。

夢か…

赤い玉って

シュールな夢だな。


和司がとなりで静かな寝息を立てている。

妙な冷や汗でまみれた私はそっとベッドから抜け出し、

シャワーを浴びる。

体中に残された赤い斑

夢の中の赤い浮き球と重なって

苦笑する。

しあわせな朝のはずじゃない。

あの夢は何かの啓示?

いい意味ならいいけれど。



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