恋愛温度(番外編も完結しました)
行きつけのバールで、アペリティーボを摂ろうとしたとき、

となりに居る一人の男が妙に気になった。

髭面で髪を後ろで一つに結っている、

芸術家崩れの男。

「あなた、日本人ですか?」

そう問いかけると、

にやりと笑って、

「ええ、あなたもですか?私はこういうものです。」


【interiorVOYAGE】

【owner YUSUKE TAKARADA】

そう書かれた名刺を差し出した。

「へえ?インテリアを買い付けに?」


「まあ、趣味と実益を兼ねてね。

 海外放浪する大義名分ができますからね。

 ウチにはしっかりものの店長がいるので、

 適当に買い付けて送っておくと。

 いいものは選んで、メーカーと掛け合って、

 ちゃんと、がっちり契約してしまうんですよ。

 優秀でね。」

「へえ、それはいい部下を持っていますね。」

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