夏の日差しと狼のいろ。


ー数日後ー…



 あれから三週間ほど過ぎた。

 ウルーやアルは治りが早く、
 もう傷は完全に治っている。



 一方、ツキはまだすこし
 治療のあとが残っている。

 包帯を巻くほどの傷はなくなり、
 ばんそうこ程度になっていた。


 でも1番酷く怪我をした足は
 まだ軽く包帯を巻き。



 それでもツキは決心し、
 すっくと立ち上がると
 近くでアルとトランプをしている
 ウルーに歩み寄ってく。


 「ウルー?」


 ウルーがくるりと振り向く。
 続いてアルも振り向く。


 「私、もう大丈夫だよ?
  ウルーたちはもう傷も
  大分前に治ってるし」



 「本当に大丈夫か?」


 ウルーは心配そうに
 ツキの足を見ながら尋ねた。


 ツキはこくんと頷き、
 微笑んでみせる。

 ウルーもアルも
 すこし心配そうにしていたが
 やがて微笑み返してくれた。






 シルクにそれを伝えるべく、
 ツキはシルクの部屋へ向かった。

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