夏の日差しと狼のいろ。

「……っ!」


悲鳴をあげる間もなく、
ツキの唇にやわらかいものが触れた。


サンドルはツキに軽くキスをして
さらにツキを押さえ付けてきた。


口の中に、サンドルの口から

錠剤のような何かが入ってきて
ツキはわけがわからず
それを飲み込んでしまった。



「…っ…や」


サンドルはまだ唇を離さず
間近に見える琥珀色の瞳は

明らかに面白がっている。



深く、長いキスをされた。


(きもちわるい・・・・っ)



ツキはじわじわ痺れる頭から
意識が飛びそうになりながら

そう、思った。



悔しくて、涙が出てきた。


しかしツキは
その薬のせいか、だんだん


思考がまわらなくなり
くにゃりと体の力を抜けて


抵抗をやめた。



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