夏の日差しと狼のいろ。

赤と雪の衝突


ひらひらと雪が降ってきた。



ツキはしばらく立ち尽くしたまま、

そして崩れ落ちていく。




そうして座り込んで
どれくらいたっただろう。


動けなかった。
体が石にでもなったみたいだ。


その間
アルはずっと傍らに居てくれた。


でもウルーは行ってしまった。





もう、何も残ってないみたいな
絶望的な気分になった。





「いつまでここに居るんですか?
凍えちゃいますよ」




アルのその声に
ツキはようやく顔をあげた。



いい加減、動かなければ。



ツキはふらふら立ち上がった。


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