夏の日差しと狼のいろ。

 *



ーぴちゃん



ツキは水の滴る音に
目を覚ました。

どうやら夢に入れたみたいで
ツキはほっとして起き上がった。

今や慣れたその暗闇に
ツキは落ち着く。



しばらくすると
暗闇から溶け出るように

青白い姿が現れた。


"自分"だ。





「また来たのか、主…?
何が言いたいか、わかる…」



"自分"はそう呟き
ツキを見下ろした。




手に青白い炎が灯っている。




そのまま"自分"はツキに寄ってきて
すぐ前にしゃがんだ。



そして真剣な青い瞳で言った。








「主は、雪狼に完全に
戻る勇気が、ある?」




ツキははっとして
"自分"を見つめる。



ー…怖い…でも。








「あるよ。ウルーを取り戻したいの」



ツキはきっぱりと
真剣にそう言い放った。




次の瞬間、"自分"がふっと笑い
辺りは青い光に包まれる。




「ふふ。よかろう」




そんな声が響き、

ツキの体は青白い炎に包まれた。

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