夏の日差しと狼のいろ。




凍りつくような
冷たさが体の中を駆け抜け

ツキは身震いして
目を覚ました。



そこはさっき寝ていた
小屋のベッドの上だった。




…何が変わったの?



ツキは夢で何かを
与えられたのは確かなのに、と

首を傾げた。




体が妙にひんやりしていて
落ち着く。



ツキは起き上がった。





ーあれ?



ツキは異変に気がついた。
何か、違う。



いつもより景色が
鮮明に見え、不思議だ。




ぼうっとしていると
カチャリと音がして隣の部屋の

扉が開かれ、アルが入ってきた。





「……!」


アルがぎょっとしたように
後ずさる。



琥珀色の瞳は
大きく見開かれていた。




ツキは混乱した。



ー何か可笑しいかな?

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