夏の日差しと狼のいろ。
それからすぐツキはアルと一緒に
ラリィの家を出た。


ラリィはいつまでも
名残惜しそうに手を振ってた。




「あんなところに住んでるなんて。
小さいのに…」



ツキはしゅんとした。




「大丈夫です。ツキさんが
助けてあげるんでしょう?」


アルはニッと笑って
いつの間にか出した耳を

ぴくぴく動かした。



そしてくるくる回ってから
ツキに言う。


「私もツキさんに助けられました。
だから、ウルー様もきっと
助けられます」




ツキは決意して頷いた。



血のあとが
雪に点々と続いている。



この鍵の力をとりこめれば
この血をたどってサンドルを
追える。




ツキはごそごそと
今までのものをすべて
取り出した。



青いペンダント。
青い鍵。
青い小箱。
青い鉄飾り。


ツキは青い小箱に
鍵を差し込んだ。





その瞬間、まばゆいばかりの光を
放ち、箱が開いた。
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