神様修行はじめます! 其の二
あたしは怒りにまかせ、畳をバンバン踏み鳴らした。


そのあたしの横で、セバスチャンさんが冷静にうなづく。


「えぇ、どうやらハメられたようですね」

「え?」

「奥方は、あなた方が永久様を救い出す事を見越していたのでしょう」

「?」

「わざと、脱走させたのですよ」


わざと門川君を脱走させた?

なんで?


「奥方が被害者の仮面を被りながら、永久様を処刑するためです」


「・・・・・?」


「奥方は永久様をかばって、なんとか幽閉の罰で済ませた。なのに永久様が、勝手に脱走してしまった、とね」


「・・・・・」


「もはや、かばい切れぬ。母は涙をのんで息子の抹殺の決断を下した、という事ですよ」

「あ・・・・・」


あ・・・

あの・・・


あの鬼ババァっ!!!

なんてズル賢いのっ!

< 206 / 654 >

この作品をシェア

pagetop