神様修行はじめます! 其の二
「どうしただ? 嬢ちゃん?」

「あ、あの・・・大丈夫ですか?」

「ん? ああ怪我か?。永久様が完璧に治してくれたよ」

「そう、ですか・・・」


体もそうだけど、心の方も心配で・・・。


なんて事を本人に面と向かって、言うわけにもいかず。


あたしは何だか場違いな感じで、無言で立っていた。


「嬢ちゃんは永世様に会った事あるか?」


当主さんが、写真を指さしながらニコニコと聞いてきた。


「あ、はい。あります」

「そーかそーか。さ、嬢ちゃんも手を合わせろや」


そう言って写真の前に手招きする。


「・・・・・はい」


あたしは言われたまま、写真の前に正座する。

穏やかな笑顔に向かって手を合わせた。


おばあ様・・・あたし・・・。

あたし・・・。


じっと目を閉じているあたしに、当主さんは話しかけてくる。


「永世様は、ご立派な方だったなぁ」

「はい・・・」

「あの方だけは権田原をバカにしなかった。それどころか、いつも感謝して下さった」

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