神様修行はじめます! 其の二
「永久どうする? 逃げるか戦うか?」


絹糸が単刀直入に話をきり出した。


「そこを決めねば、話が進まぬ」

「・・・逃げはしないさ」

「・・・・・」

「権田原一族を置いて、逃げ出しはしない」


うん・・・。

権田原は、逃げるといっても簡単にはいかない。


一族全員が、荷物をまとめて移動するんじゃ大変だ。


それに権田原は土の民。

土着の一族だ。


この土地を離れるのは、想像できないほどの葛藤だろう。


「わたくし達も戦いを望みます」


お岩さんが、うなづいた。


「いや・・・・・」


門川君が、紅茶の湯気を見ながら首を横に振った。


「戦いも、しない」

「・・・・・?」


門川君の言葉に、皆が不可解な顔をした。


「戦力の差がありすぎる」

「ふむ。確かにのぉ」

「それに、できる事なら戦い自体を避けたい気持ちに変わりはない」


戦力、か・・・。


今まで、自分達の利益を計算して門川君についていた派閥。


たぶん今頃、手の平を返してるだろうな。


門川君が決起しても、こちらについてくれる望みは薄そう。

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