神様修行はじめます! 其の二

門川 永継(かどかわ ながつぐ)。


正直言って名前を出されても、一瞬、誰の事やら分からなかった。


そういえばいたなぁ、そんな人・・・って感じだ。


だって、激烈香辛料な鬼ババの陰で、ものっすごく影が薄い。


てか、薄いのも無理ない。

あたし今まで会った事ないや。お兄さんに。


そんな、うっすいお兄さんに何の用があるんだろう?


絹糸がお兄さんの名を聞いて、何だか難しい顔をした。


「永久、お前も知っているであろう?」

「なにをだ?」

「永継が、いま置かれている状況じゃ」


状況? なに? 

お兄さん、力を継げなかった以外にも、なにか問題でも抱えてるの?


あたしの疑問な目を見て、絹糸が答えてくれた。


「永継はずっと以前より、人目につかぬように屋敷の奥に閉じ込められておるのよ」


「閉じ込めるっ?」


「能力を継がなかった事実を、隠しておるからの。華子が」

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