神様修行はじめます! 其の二

門川君は・・・


震えていた。


しま子に支えていてもらわなければ、立ってもいられないほどに。


呆然と開かれた目は、お兄さんを見つめていた。


干からびてミイラになった・・・

変わり果てた姿のお兄さんを。


そして・・・

震える指を伸ばした。

お兄さんに向かって。


しま子の腕から離れ、ヨロヨロと歩き出す。

お兄さんの元へ。

「兄上・・・兄上・・・」


がくんとヒザを着く。

そして、ミイラの着ている豪華絢爛な袴に手を伸ばした。

震える手で、きらびやかな生地を握り締める。


「あに・・・うえ・・・」


門川君は、お兄さんのヒザに突っ伏し、袴に顔をうずめた。


「僕を憎んで逝かれたか・・・兄上!!!」


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