幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「嘘だろ!?」



小野寺は。




先程の美しく術を使う姿はどこへ…?



と思うほど、取り乱していた。




「タイムスリップ!?有り得ない有り得ない有り得ない!!そんな漫画みたいな!?嘘だろこれは夢なんだろ?そうだ沖田っ!夢だと言ってくれ!若しくはお兄様辺りのたちの悪い悪戯だと言ってくれ!お願いだよぉ……」



「残念ながら夢じゃな……」



と。

言い掛けて。




沖田は固まった。




「もうやだ…。さっきだって怖かったのに……。すっごくすっごく怖かったのに……。元の時代に戻れないなんて……」


そこには。



眼を真っ赤に腫らし、


長い睫毛は濡れ、


涙を溜めた、




妖艶な少女がいた。



「…………………ッ」

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