幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
二人の声が、重なった。




「…小野寺さん、どうする?」
蓮宮は背を向けたまま、声を発する。



「君が守りたいものは、何?」










守りたい、もの。


楽しい毎日、
明るい毎日、
当たり前の毎日、
紫蓮院乃愛、




そして――…新撰組






「……分かった。君に従おう」

小野寺姫は、片膝をついた。



「蓮宮、来愛……」




呟くと、蓮宮は満足そうな笑みを浮かべた。

そしてくるりと身体を回転させる。




「じゃあよろしくね、小野寺姫さん」









これは、契約。






蓮宮の声は、小野寺の耳にべったりと貼りついた。







気持ち悪い、声だった。








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