幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
意味深な言い方をする。



「とにかく、おのでらんがお望みなら僕はそれに従うよ」

沖田が笑った。



「誰もが幸せな未来って、なんだか格好いいしね」頷く。




「…………みんな…」

「だから小野寺」


土方は、辺りを見回した。
その目は、「新撰組副長」としての「土方歳三」の目。


「必ず、止めよう」




ああ、そうだ。
必ず戦争を止めよう。
必ずまた笑い合おう。
必ず幸せになろう。



「……さあ」小野寺は笑う。








「未来を、変えよう」




―――――
―――



江戸では毎日戦火が上がっている。

旧幕府軍と新政府軍の戦いは日に日に激しくなっているようにも見える。






「…………っくそ」

とある男が汗を拭う。
彼の名前は吉原といった。


妻と子が二人いる彼は、旧幕府軍として戦っていた。

愛する人や、子供たちを守るために。



< 579 / 693 >

この作品をシェア

pagetop