クリムゾンフレイヤ

☆気配


すっかり夜も更けてしまった頃。

焚き火から流れる煙が、彼女たちの居場所を晒していた。


が、そんなことは気にもせず、スカーレットとグラガは食後のためか、ゆったりとした時間を過ごしていた。

野犬やモンスターに襲われそうになったが、スカーレットの結界によりそれも免れている。


ただ一つ問題なのが……。


「……アンタと一緒に寝るのが怖い」

「バッサリ言ってくれるな」


結界が張っているために、そんなに離れた場所に移動出来ないのが、あとから不安になったスカーレット。

そんな彼女に、グラガは溜め息をついていた。


「とりあえず、見張りは先にアタシがやるわ。何か危ない気がするし……」

「何もしねぇよ。自意識過剰だなぁ……ガッ!?」


立ち上がって眉間にしわを寄せたスカーレットに、グラガは苦笑して指を差した。

が、その直後に彼女の足が顔面を潰し、後ろに倒れる。


「もう慣れたぜ……」

「へぇ? じゃあここは?」


負け惜しみか、言わなくていいことを言ってしまったグラガの股を、スカーレットの足が狙う。

それに背筋を凍らせた青年は、絶句して横に逃げる。




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