蛍色
「恋、好きな人でも出来たの?」


「えっ、何で?」


奏に唐突にそう言われてビックリした


「ここ数日……ってか交流週間が始まってからため息が多いからさ」


「そ、そうかな…」


「うん!とっても多いよ」


「んなことねぇよ!」


「いや、ガチで!だって俺が話してても『はぁ』、『はぁ』言ってるし」


「………なんか俺変態っぽくね?」


「だってそうなんだもん。昨日なんて……」


---昨日

『恋、今度さ』


『はぁー』


『新しくできたさ』


『はぁ』


『駅前のさ』


『はぁ』


『レストラン行こうよ』


『はぁーーー』


----



「みたいな……」


「いやいや!そんな合いの手みたいなため息ある!!?」


「あるんじゃね?てか本当そうだったんだもん」


もんじゃないし!


なにちょっと可愛くしてんだよ!!


「まぁ、だから恋でもしてんのかなぁって」


「…………」


恋ねぇ……。


いまいちよくわかんねぇ



したことないし。


母さんしか見てなかったし、周りの女子あんなんばっかだから……


恋なのかな?


もっと知りたいと思うし


気にもなる


でも、


これが恋なのかはわからない


彼女と話したこともないし…
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