RUBY EYE
初めて会った、いい人そうな男性。
十夜や愛理、鷹斗といった人間らしさを感じない綺麗な人達。
そして、今も感じる妙な違和感。
何より、今まで疎遠だった祖母が、何故、自分を預かることを了承したのか。
そんな不安や疑惑を、月野は払拭したいのだ。
「・・・・・・普通の保健室」
保健室の前に立ち、月野はひとまず肩から力を抜いた。
(まぁ、何かあるわけないよね。きっと、気のせい―――)
慣れない土地で、ちょっと過敏になってるんだ。
納得しようと思った時、保健室の扉が開かれた。
「おや、君は」
「あの時の・・・・・・」
白衣を着た男性に、月野は見覚えがあった。
ここへ来たとき、初めて会った、いい人そうな男性。
その人だ。
(保健医だったんだ。変な人だなんて思って、失礼だな、私)
急に安心して、月野はホッと安堵の息を漏らした。