RUBY EYE

あまり彼らについて詳しくないが、どうやら仲が良くないらしい。

月野のことなんてすっかり忘れて、ふたりで騒いでいる。


(生徒の視線、集めてるなぁ)


男子生徒も女子生徒も、彼らに羨望や好意の眼差しを向けている。

生まれながらに人を引き付けてしまう彼らと、自分は違う。


「―――!?」


瞬間、体中に走った妙な感覚。

振り返り、早くなる鼓動を抑えるように、胸に手を当てる。


(なんだろう? 変な感じ)


妙な違和感は、保健室に感じる―――ような気がする。

十夜を見れば、相変わらず鷹斗と口論をしていた。


(大丈夫、よね?)


こういう時、大人しくしているのが最善だと思う。

けれど、好奇心というものには勝てないし、何より払拭してしまいたい気持ちがあった。


祖母の元へ来て、まだ数日だけど、おかしいと思うことが多々ある。


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