RUBY EYE
「そんなにお前がベッタリくっついてたら、月野ちゃんだって息が詰まるだろ。なぁ?」
「えっと・・・・・・」
同意を求められても困る。
けれど、鷹斗の言う通り、そこまでくっついて行動するのは変だと思う。
「お前には関係ない。俺は、美鶴さんにこいつを頼まれてるんだ」
「おばあちゃんに?」
またも一つ、疑問が増えた。
月野が怪訝な顔をするのを見て、鷹斗が苦笑する。
「あぁ、それは―――」
「行くぞ、月野。まだ校内を案内してる途中なんだ」
鷹斗の言葉を遮るように、十夜は月野の手を取り、早足でその場を立ち去る。
「ホントに過保護だな。いずれわかることなのに」
ふたりを見送りながら、鷹斗は苦笑混じりに呟いた。
「あ、あの!」
立ち止まる気配の見えない十夜の背に、月野は慌てて声をかける。
「なんだ?」
足も止めず、振り返りもせず。