RUBY EYE
中庭で、ふたりきりになる。
美鶴の横顔を、月野は黙って凝視する。
「首は噛まれた?」
「は?」
「襲われたのでしょう?」
美鶴の視線が、月野を捉える。
逸らせなくて、月野は返答のための言葉を探す。
「か、噛まれてません」
「そう、良かったわね」
「あ、あのっ」
気になって、月野は美鶴に質問する。
「浦部先生は、どうして・・・・・・」
祖母は何かを知っている?
だとするなら、今聞かなくては。
月野は自分の手を握りしめ、答えを待った。
「仕方がないわ。彼は、ヴァンパイアだから」
「ば、ヴァンパイア?」
それはつまり、吸血鬼とか、ドラキュラとか呼ばれるアレ?
月野が目を丸くしながら、美鶴を見つめている。
「そう。吸血鬼とかドラキュラとか呼ばれている、それよ」