RUBY EYE
(何の話だろう? それにしても、さっきの・・・・・・)
浦部の行動の理由は、なんだったのだろう?
血は舐めるし、目は赤くなるし、歯は尖ってるし。
(吸血鬼みたい・・・・・・)
でも、それは物語の中の、架空の生き物。
現実にいるはずがない。
「月野、帰るぞ。美鶴さんが待ってる」
「おばあちゃんが?」
何故ここに、祖母が出てくるのだろう?
理解できぬまま、月野は立たされる。
「じゃあね、月野ちゃん」
「さ、さよなら」
笑顔の鷹斗に見送られ、月野は保健室を出ていく。
「これから、楽しくなるな」
ペろりと、鷹斗は楽しげに唇を舐めた。
紅玉館に帰ると、部屋よりも先に、中庭へと連れていかれた。
「十夜、あなたは下がっていいわ」
「はい」