時空連鎖のクロノス




授業の後は皆黒野澄香に話しかけていた。

俺は、神社へと走る。



神社につき、まず祠を確認した。

鈴がついていた跡、はじけた鈴の跡、拳銃で撃った、跡。

…どうゆうことだ?

時間が戻ったわけではないのか?

俺は祠の扉を開けようとした。

「なにをするつもりだい?筒路唯鹿」

「っな!?」

俺は慌てて祠から手を離し、後ろを振り向く。

「たしかに、あの時を過ごした跡がある。だから私は此処にいる。でも此処は此処だ。あの時じゃない」

「…はい?」

黒野澄香は意味深な事を言う。だが、それよりも…

「あぁ、どうして私があの教室から抜け出してきたか…だろう?」

そう。その通り。

「…秘密さ」

「なんだよ」

俺は黒野澄香の横を通り過ぎようとした。

「筒路唯鹿、キミは何回繰り返すつもりだ?」

「は…?」

「此処が不安定なのは、まだ過去改変中だからだ。筒路唯鹿、まずは家に帰れ」

「…言われなくとも帰るよ、黒野澄香」

俺はそのまま背を向ける。

後ろの方でぼそりと「フルネームか」と呟く声がした。





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