5秒間の世界
すると、雨が降り出した
雨は次第に強くなり、
虫の鳴き声を掻き消した
彼女の頬に伝うのは雨なのか
涙なのかは彼女さえ分からなかった
彼女は誰かに逢いたかった
誰でもいいから逢いたい
孤独がここまで辛いとは思いもしなかった
ガサガサ
草の音が聞こえた
思わず体が反応する
雨が止んだ
彼女の頬の水滴は、落ちて、
地面を湿らせていた
このまま、ずっとこのままなのかな
だったら、嫌だな
マイナス思考の考えしか浮かばない
ガサガサ…ガサガサ…
体に自然と力が入る
ガサッ
「ふぅ…疲れたなぁ
雨宿りできる場所ないかなぁ」
目があった
「「え?」」