スイーツな関係
立ち止まり慌てて携帯電話を取り出すと、画面に遥人の名前。

絆創膏が邪魔してなかなか押せない。


「も、もしもし?」
『麗香、大丈夫? 慌てているみたいだけど?』
「え? だ、大丈夫よ」
『待ち合わせ、この間のカフェバーでいいか?』
「この間のカフェバー?」
『君が酔っぱらった店』
「あ! はい。そこに行きます」
『俺もあと10分ほどしたら店を出るから。じゃ』


携帯電話を切る時も絆創膏が邪魔をする。


あ……これ、遥人に見られちゃう。

こんな傷だらけの指を見たら、どれだけ不器用なんだとからかわれそう。


絆創膏、剥がそうか……。
絆創膏が無い方が目立たないよね。


思い切って4カ所の絆創膏を剥がした。

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