スイーツな関係
「手を見せて」


もう一度なんでもないと言おうとする暇もなく、遥人にグラスを取り上げられ手首を掴まれる。


「こんなに傷がたくさん……傷が新しい。いったい何をしたんだい?」


遥人は私の閉じた指を開かせると、困惑した表情を浮かべた。

そして、射抜くような視線を私に投げかける。


「仕事で――っあ……」


突然、遥人の唇が傷ついた指を軽く食んだ。


「遥人! やめて……」


指に伝わる遥人の舌に、ぞわぞわっと甘い痺れが身体に走る。


「本当のことを言わないと止めない」

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