スイーツな関係
強い力で伸ばした腕が動かない。
遥人は再び、私の指を舌で弄び始めた。


もうっ……身体がおかしくなりそう。


「りょ、料理スクールに行って来たの」


上ずった声に舌で指を弄んでいた遥人がピクッとなる。
そして顔を上げると、私をまじまじとその切れ長の目で見つめる。


「君が料理スクール?」
「だって、料理の出来ない女は嫌いだって、遥人が言っていたから」


遥人は驚いたのか、掴んでいた手の力が緩んだ隙に私は手を引っ込めた。


「確かに言ったね……だけど、そこまで自分の手を……俺が包丁を初めて使った時でもこうはならなかったな」
「遥人と比較しないで」

< 151 / 512 >

この作品をシェア

pagetop