スイーツな関係
「もう一度手を出して」


有無を言わさない口調で言われ仕方なく手を出した時、店の女性が魚介類のカルパッチョとフライドチキンなどが入った揚げ物のお皿を持って来た。


ハッとして引っ込めようとすると、またも阻まれる。


傍から見れば片時も触れていられずにはいられないラブラブのバカップルに見えるかもしれない。


女性は遥人ににっこり笑みを向け「遥人さん、ごゆっくり」と言って去っていく。

あのウエイトレスが遥人の知り合いなのは親しげな笑みでわかった。
その笑みに深い意味はないのだろうけれど、親しげなふたりに嫉妬を覚える。


遥人は女性が去ると、私のギュッと握る手を開き、指を隅々見始めた。


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