スイーツな関係
「いたっ……」


右足首にズキンとした痛みが走り、すぐに立ち上がれない。
痛む場所を擦っていると、影が落ちた。


「大丈夫ですか?」


その声は少し呆れたように聞こえる。


「すみません……」


彼は私の両脇に手を差し入れ、立たせると右足から抜けて転がっているパンプスを取りに行く。

そして溜息の声が聞こえてきた。


「な、なにか……?」
「ヒールが折れている」


振り向いた彼の手をみると、ミルク色のパンプスは見事にヒール部分がぶら~んと揺れていた。

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