スイーツな関係
「ぁ……」


お気に入りのパンプスだったのにっ!と言いそうになった所を呑込み、戸惑いの表情を浮かべた。


「仕方ないな。家は近いのか?」
「ここから車で10分くらい……きゃっ!」


彼にいきなり抱き上げられ、目を丸くする。


「それとも、病院の方がいいか?」
「い、家に送って下さい!」


願ったり叶ったりだ。
足は彼が気にしてくれている。
痛みは歩けないほどではないけれど、わざと痛くて仕方ないフリをした。
彼はそんな私の演技を本気にして抱き上げてくれた。


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