スイーツな関係
地下の駐車場から地上へ出ると、太陽の眩しさに目を瞬かせた。
彼も眩しかったようで、オーバーヘッドコンソールからサングラスを取り出すとかけた。


「お忙しいのにご迷惑をおかけして本当にごめんなさい」


それは本心だ。
休憩時間にどこかへ行く所だったのだろう。


「家主のお嬢様には取り入っておかないとね」
「……」


前を見ながらさらりと言われ、どう答えていいのかわからなかった。
所詮、私は家主の娘としか見られていない。
ならば、その立場を利用しよう。

私は唇を引き締めて、運転中の彼を見た。


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