スイーツな関係
地下の駐車場に停めてあったプジョーのコンパクトクーペに近づく。

ずっとお姫様抱っこで運ばれ、次第に申し訳なくなった。
ただ、会話はなにもなくて、ただ運ばれていると言う感じで戸惑うばかりだ。

丁寧に助手席に私を座らせた彼は車の前を回って運転席へ。


「住所は?」
「あ、麻布十番の――」


彼はカーナビを操作し終え、アクセルを踏んだ。
その一連の動作は流れるようだった。


彼の料理をしている所を見てみたい……。
きっと無駄のない動きで芸術的な料理を仕上げていくのだろう。






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